実家の片付けで出てくる物の分け方|売るか見てもらう物・出し方が決まっている物・供養を考える物

この記事のまとめ

  • 値段は公的な資料で決められないため、この記事は「売れる物」を言い当てず、公式資料で扱いが確かめられる物から先に分ける
  • 家電4品目は家電リサイクル法の対象で、パソコン・消火器・耐火金庫などは横浜市や札幌市の例では市が収集しない。値がつくかどうかとは別に、出し方を先に確かめる
  • 刀剣類は、登録証がない物を見つけたら最寄りの警察署へ連絡して指示を受ける。登録証のある物を譲るときは登録証と一緒に行う
  • 着物・切手・食器・骨董などの値がつくかは、専門の業者に見てもらって判断する。自宅で買取を頼むときの決まりは別の記事にまとめてある
  • 仏壇・人形は、供養するかどうかは各家と寺社の考えによる。市の分別辞典や、人形供養祭の案内で確かめられる範囲だけを書く

実家の片付けで出てくる物のうち、売れるかどうか、値がつくかどうかは、公的な資料では決められません。そのため、この記事では「これは売れる」とは言い切らず、公式の資料で扱いが確かめられる物から順に分けます。分け方は3つです。(1) 法律や自治体の決まりで、出し方が先に決まっている物、(2) 値がつくかどうかを専門の業者に見てもらって判断する物、(3) 供養を考える物です。

値がつくかを見てもらう前に、(1) に当たる物を取り分けておくと、業者に見せる物と自治体に出す物が混ざりません。家電4品目の手続き、粗大ごみ、自宅に来る買取業者への決まりは、同じ窓口の 実家じまいの流れと費用 に書いてあります。この記事は、品目ごとの分け方に絞ります。

自治体の分け方は市区町村ごとに違います。この記事に出てくる横浜市、札幌市、さいたま市は「例」で、実家のある市区町村の扱いとは違うことがあります。実際に出す前に、その市区町村の公式ページで確かめてください。

先に3つに分ける:何を基準にするか

分け方 基準 確かめる先
A 出し方が先に決まっている物 法律や自治体の決まりで、処分や譲渡の方法が定められている、または市では集めない 環境省、実家の市区町村、文化庁、警察署
B 値がつくかを見てもらう物 価値の有無は公的な資料では判断できない 専門の業者の査定(複数)
C 供養を考える物 供養するかは、各家と寺社の考えによる 菩提寺や寺社、市区町村の案内

言い換えると、「売れる」可能性を見てもらうのは B、「値がつきにくい」物は A の一部と、B で値がつかなかった物、「供養が要る」物は C です。ただし、値がつく・つかないの線引きは、この記事では行いません。

A:出し方が先に決まっている物

家電4品目とパソコン、小型家電

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は家電リサイクル法の対象です。環境省は、家電リサイクル券を貼って家電小売店に引き渡すか、市区町村が案内する方法でリサイクルするよう案内しています。処分方法が分からないときは、市区町村の廃棄物・リサイクル担当に問い合わせます。廃棄物として捨てるときは、廃棄物処理法の許可を得ていない回収業者に渡さないよう、環境省が注意しています。

パソコンは、横浜市の例では粗大ごみとして集めません。製造メーカーが回収する方法(PCリサイクルマークのある物は無料、マークのない2003年10月以前に販売された物は有料)、メーカーが分からない物をパソコン3R推進協会が回収する方法(有料)、市の小型家電の回収ボックスに入れる方法(投入口に入る長さ30cm未満の物、無料)が案内されています。取り外せるバッテリーは外すよう求められています。

4品目以外の小型家電は、環境省によると、市区町村のルールに沿って処分します。小型家電リサイクル法はデジタルカメラやゲーム機などの再資源化を進める法律です。実家の市区町村で、小型家電をどう出すかを確かめます。

消火器・薬品・耐火金庫・ピアノなど

実家の物置や台所には、ごみとして出せない物が混ざっています。横浜市の例では、次のように案内されています。

品目 横浜市の案内
消火器 市では収集しない。日本消火器工業会が販売代理店などと協力して対応している
タイヤ、プロパンガスボンベ、農薬、薬品、石油類、塗料、耐火金庫、ピアノ 収集しない処理困難物。購入先・販売店・メーカーなどに相談する
自動車用・オートバイ用のバッテリー 販売店またはメーカーなどに相談する
バイク 粗大ごみとしては収集しない
畳、ブロック、フェンスなど工事で出る物 工事を請け負った業者に処理を依頼する

(横浜市、2026-11-07 確認)

札幌市の分別辞典でも、消火器は「市で収集しないもの」で、消火器リサイクル推進センターが廃棄方法と引取り場所を紹介するとされています。金庫は、耐火性能の有無で扱いが違い、耐火金庫は市では収集せず金属商に相談します。耐火性のない金庫は、大きさによって「燃やせないごみ」か「大型ごみ」になります。同じ金庫でも、札幌市と横浜市で書き方が違います。実家の市区町村の分別辞典で、品目名を入れて確かめてください。

刀剣類・古い銃

押し入れや蔵から刀剣類が出てくることがあります。文化庁によると、銃刀法の登録制度は、美術品または骨とう品として価値のある古式銃砲と、美術品として価値のある刀剣類について、物そのものを登録する制度で、所持する人への許可ではありません。確かめられる決まりは次のとおりです。

登録の可否や、登録証がある物を譲れるかどうかの具体的な手続きは、登録証を発行した都道府県の教育委員会などに確かめます。

B:値がつくかを専門の業者に見てもらう物

着物、切手、貴金属、食器、掛け軸、骨董など、値がつくかどうかは、公的な資料では決められません。買取価格を示す公的な資料がないため、この記事では価格の目安を書きません。次の手順で、家族が決めてから業者に見せます。

  1. 誰の物かを家族で確かめる。分け方が決まっていない物は、売らずに置く
  2. 箱、証紙、鑑定書、取扱説明書、付属品を、物と一緒にまとめておく
  3. 同じ物を複数の業者に見せ、査定の内容を比べる
  4. 値がつかなかった物は、次の項(A の出し方、または C)で扱う

環境省は、まだ使える家電について、信頼できるリユース(中古)ショップでの買取を勧めています。中古品を売買する営業は、古物営業法の「古物商」にあたり、公安委員会の許可が要ります(神奈川県警察の案内)。古物は、一度使われた物のほか、未使用でも使うために取引された物、それに手入れをした物で、美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車など13品目に区分されています。許可の申請は、営業所を管轄する警察署の生活安全(第一)課が受け付けています(神奈川県の場合)。

業者に自宅へ来てもらう場合は、特定商取引法の「訪問購入」の決まり(クーリング・オフなど)が関わります。内容は 実家じまいの流れと費用 の「買取を使うとき:訪問購入の決まり」にあります。

値がつかなかった物と、大量に出る物

B で値がつかなかった物や、最初から売らない物は、市区町村の分け方に沿って出します。まず実家の市区町村の分別辞典(家庭ごみの分け方の検索ページ)で、品目名から出し方を調べます。粗大ごみの申込みや手数料は、実家じまいの流れと費用 に、横浜市の例があります。

引っ越しなどで一度に大量のごみが出るときは、別の扱いがあります。横浜市の例では、こうした一時多量ごみは原則として自分で処理します。市の処理施設に自分で持ち込む(住んでいる区の資源循環局事務所に事前に申し込む)か、一般廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に依頼します(処理は有料)。このページの問い合わせ先は、資源循環局の業務課です。実家の市区町村にも同じ決まりがあるか、片付けを始める前に清掃の担当窓口に確かめると、ごみの出し方を組み立てやすくなります。

C:供養を考える物

仏壇、位牌、人形などを供養するかどうかは、各家の考えや、菩提寺・寺社の考えによって決まります。この記事は宗教上の判断をしません。公式の案内で確かめられる範囲だけを書きます。

品目 札幌市の分別辞典 その他の案内
仏壇 大型ごみ。手数料は有料 位牌・神棚はこの辞典に項目が見当たらなかった。市区町村に問い合わせる
ひな人形 燃やせるごみ。手数料欄は有料 ひな段を含むセットは大型ごみで有料

(札幌市、2026-11-07 確認。ほかの市区町村では区分が違う場合がある)

人形については、さいたま市が、飾らなくなったり壊れたりした人形を僧侶の読経のもとで供養する「人形供養祭」を紹介しています。場所は岩槻城址公園人形塚、開催は11月3日、問い合わせ先は岩槻人形協同組合と市の観光国際課で、供養料は1軒あたり3,000円から、ガラスケース、鉄製の雛壇、陶器製の人形、だるまは引き受けできないとされています(さいたま市、2022年1月24日更新の情報を確認)。このような供養の受け付けは、寺社や地域の団体ごとに内容も費用も違います。受け付けの有無、受け付ける品目、費用は、行きたい寺社や団体に直接確かめます。

確かめられなかったこともあります。仏壇を処分する前に宗教上の手続きが必要かどうか、位牌をどう扱うかは、公式の資料では確認できませんでした。この点は、菩提寺や、実家の地域の寺社に聞くのが近道です。

次にすること

  1. 実家の市区町村の公式ページで、分別辞典と「市では収集しないもの」を確かめる
  2. 家電4品目、パソコン、消火器、薬品、耐火金庫などを取り分け、出し方の窓口を調べる
  3. 刀剣類や古い銃が出てきたら、最寄りの警察署に連絡する
  4. 値がつくかを見てもらう物を、家族の合意を取ってから分け、箱や付属品を揃える
  5. 仏壇・位牌・人形などは、家族で供養の考えを話し合い、必要なら菩提寺や寺社に聞く

全体の順番や期限は 実家じまいの流れと費用 にまとめてあります。まず、市区町村の「出せない物」の一覧を確かめるところから始めてください。

出典(確かめた日)